ゲージュツ的しつけ

フェレットのしつけが書いたゲージツ的なしつけ術の数々。メール→fererere25@gmail.com

現代生活へのささやかな抵抗運動とその成果ーー収支報告書を添えて

  AI。現代社会を切り取るキーワードだ。くだらない、と僕は思う。

 ハリガネムシのぐにゃぐにゃした体が僕らの生活の象徴なら、世界はとっても麦茶的だ。コップ一杯のコーヒーを片手に文庫本を切り取る優雅な雨の日に、僕はハンモックに揺れている。前に、後ろに。例えば現代生活の一形式として。

 背中がだんだんと突っ張っていく。羽が生える前兆だ。僕は陽だまりを探してる。誰かを追い出したいから。芸術はまるで君達のように歴史に埋もれていく。誰もが分かってる。崩壊はもうすぐだって。自殺するのは生きる事よりむずかしい。それでもやっぱり死は魅力的に見えたし、生も魅力的に見えた。

 一般的な生活の隙間で、例えば乗り換え案内を開くときなんかに少しだけ異常なことをしてみたくなる。社会に投げかけるんだ、存在理由を!これは壮大な計画だ。そう言って舌なめずりしながら、コップを逆さに持ったりする。僕の考えつくアナーキーの限界です。素晴らしきダダイズムよ、大いなる破壊で僕を癒してくれ。そして願わくば、現代アートのコンクール会場まで僕を連れて行ってくれ。

 権威は破壊されたなんて嘘だった。まあそれは当たり前だ。力と力は仲がいいし、抑圧の袋小路で重力の重さをやけに強く感じる日があるのも否めない。一言で言えば格差が広がり、僕はその是正のために、頑張っています!

 僕の人生は、哀れな、電車の運行表の一行である。

 教室に、チャイムの音が、鳴り響き、眠る子どもは、もう怒られない。境界線は音楽がつくる。偉大なマインドコントロールの美しくも歪な模倣が僕らの生活なら、一匹のハリガネムシのようにぐにゃぐにゃと身をくねらせることだけが適応するということだ。グリーン・ティーから作られるクリーンなピー。馬鹿げている。優等生の体の使い方。優等生的な性生活。

 何に怒っているのだろうと自問を繰り返しながら、電車に乗る。

 複雑な線路の先に見える公園の、絡まり合ったアスレチックの向こう側にむかし会いたかったあの人が見える。真っ白なワンピースを着た、性別不詳の子供の顔で、お前が一番だって歌ってる。

 遠くに見えるものはなんだって美しい。思い出や、未来や、幻想や死だ。真実はいつもシンプルで、心の中に痛ましくのしかかってくる。現実はいつも暴力的で、競争の中で自分は押し出される。

 退屈しているみんな、立ち上がりたまえ。この惰性に満ちた世界を表現するのはただ一つこの文章だけだ。世界は飾り立てられたぬるま湯だ。生まれ落ちた全ての獣の垢はついに流された。立ち上がれ、革命だ、惰性に満ちた世界を、新たな無気力で埋め尽くせ。

 そこまで書いて僕は、コップを逆さに持った。最高にアナーキーだろ?