ゲージュツ的しつけ

フェレットのしつけが書いたゲージツ的なしつけ術の数々。メール→fererere25@gmail.com

本を読んで考えたこと

小島信夫の二十二歳、梶井基次郎の二十三歳。保坂和志『小説の誕生』を読んで。

私たちはたとえば、カフカの日記を読んでおもしろいと思うのだが、その日記を書いたときのカフカは二十代前半だったりする。宮沢賢治の享年は三十七歳で、満二十七歳で出版した『春と修羅」を、その後に生まれた者たちは七十年八十年の生涯を通じて読んだり…

分けて、決めて、配置することーー永井 希 著『積読こそ完全な読書術である』を読んで。

www.google.co.jp 永田希著『積読こそ完全な読書術である』を読んだ。 僕は一昨日、これを読みながら寝ずに本の配置をしなおした。 とても面白かった。簡単に言えば、現代社会の情報過多への抵抗の仕方について書かれた本だ。 現代人は、あらゆるメディアで…

柴田ヨクサル『エアマスター』 第三巻 178ページ 一コマ目を見て眠れないはなし

「あれは一目ボレの超強力版だったな......」 「0.1秒ごとに好きになっていくカンジでさ...」 「3秒後には この世のこの時代に生まれてきてよかと思った...」 「この娘(コ)に会えたんだからなって」 (出典元:柴田ヨクサル『エアマスター』二巻 第14話 ジェッ…

仏教とエクストリームスポーツと羽生善治。必殺技!無我の境地について

https://twitter.com/masayachiba/status/1254266546706210816?s=21 人文的な書き物や文学において全てを説明しようとしている文章が軽く見られるのは、俺が俺がという自意識過剰で、エゴイスティックだからである。理数系の文章が全面的な明晰さを目指して…

奇妙な記憶と、小学生による昔についての考察ーーグレイス・ペイリー『最後の瞬間のすごく大きな変化』を読んで。

グレイス・ペイリーというアメリカの作家の小説を読んだ。訳者は村上春樹だった。『最後の瞬間のすごく大きな変化』という短編集だ。グレイス・ペイリーは短編集を三冊出版して、たぶん子供に世話を焼いたり、友だちとコーヒーを飲んだり図書館に行ったりし…