ゲージュツ的しつけ

フェレットのしつけが書いたゲージツ的なしつけ術の数々。メール→fererere25@gmail.com

本を読んで考えたこと

「書けてしまう人」である村上春樹の文章のつくり方。『納屋を焼く』を読んで。

彼女とは知り合いの結婚パーティーで顔を合わせ、仲良くなった。三年前のことだ。僕と彼女はひとまわり近く歳が離れていた。彼女は二十歳で、僕は三十一歳だった。でもそれはべつにたいした問題ではなかった。僕はちょうどその頃頭を悩まさなければならない…

日記をはじめたから、『ゲバラ日記』を読んで、日記について考えてみた

昨日から『ケーカク的しつけ』というタイトルで日記をつけはじめました。https://fererere25.hatenadiary.jp 目標は、毎日つづけること。そしていずれ書く長い文章、小説、詩、エッセイを書く土壌をつくること。ぼくは将来、歌手になるつもりでいます。 『ゲ…

喋ることすべてが物語になってしまう人へ

田中小実昌が『寝台の穴』という短編に書いている意味を借りて言うなら、ぼくの書くことやはなすことはぜんぶ物語に他ならない。ぼくだけじゃない。あらゆる人がはなすことや書くことはほとんどが物語だ。 ぼくの誕生日について、母が話したことは物語だけど…

小島信夫の二十二歳、梶井基次郎の二十三歳。保坂和志『小説の誕生』を読んで。

私たちはたとえば、カフカの日記を読んでおもしろいと思うのだが、その日記を書いたときのカフカは二十代前半だったりする。宮沢賢治の享年は三十七歳で、満二十七歳で出版した『春と修羅」を、その後に生まれた者たちは七十年八十年の生涯を通じて読んだり…

共感と暴力と、小説の会話 保坂和志『小説の自由』を読んで。

「なんで川?」 「海だとちょっとかっこよすぎるでしょ。かっこよすぎて、かっこわるすぎでしょ」 「どっちにしても水なんだ」 「いや、そういうわけでも」 という会話が出てきて、うまい。というか、しっかりしている。最近、若い人同士の会話を多用する小…

分けて、決めて、配置することーー永井 希 著『積読こそ完全な読書術である』を読んで。

www.google.co.jp 永田希著『積読こそ完全な読書術である』を読んだ。 僕は一昨日、これを読みながら寝ずに本の配置をしなおした。 とても面白かった。簡単に言えば、現代社会の情報過多への抵抗の仕方について書かれた本だ。 現代人は、あらゆるメディアで…

柴田ヨクサル『エアマスター』 第三巻 178ページ 一コマ目を見て眠れないはなし

「あれは一目ボレの超強力版だったな......」 「0.1秒ごとに好きになっていくカンジでさ...」 「3秒後には この世のこの時代に生まれてきてよかと思った...」 「この娘(コ)に会えたんだからなって」 (出典元:柴田ヨクサル『エアマスター』二巻 第14話 ジェッ…

仏教とエクストリームスポーツと羽生善治。必殺技!無我の境地について

https://twitter.com/masayachiba/status/1254266546706210816?s=21 人文的な書き物や文学において全てを説明しようとしている文章が軽く見られるのは、俺が俺がという自意識過剰で、エゴイスティックだからである。理数系の文章が全面的な明晰さを目指して…

こんなことしてちゃ絶対戦争すりゃすぐ負けちゃうよ 大岡昇平『野火』を読んで

俺には知恵がないんだ。戦争になったら負けてしまうと感じるのは、知恵を持たないからだ。 『野火』には知恵が数多く記述してある。 『膝から下が保護されている場合、地に匍う動物は無視することができる。』 『私の喉の真に欲している水は、別にあるのに気…

感じているだけの僕を優しく抱きしめる偶然

『野火』という小説にはいくつも答えが書いてある。人間が死ぬときのこと、生きるということ、疑問を持つこと、生き続けること...。それはなんの答えだろうか。それは生きることの問いへの答えだ。 生きることとは何か、生きるためには何をすればいいか、生…

『100日後に死ぬワニ』が示したSNS時代の新たな定型

数日前、ワニが死んだ。 死後当日に映像になったりカフェになったりで炎上して、大変みたいだ。生前の100日間は毎日リツイートで回ってきたし、今でも、良くも悪くも話題を呼んでいる。 僕は今までワニについて意図的に言及しないようにしていた。感じたこと…

奇妙な記憶と、小学生による昔についての考察ーーグレイス・ペイリー『最後の瞬間のすごく大きな変化』を読んで。

グレイス・ペイリーというアメリカの作家の小説を読んだ。訳者は村上春樹だった。『最後の瞬間のすごく大きな変化』という短編集だ。グレイス・ペイリーは短編集を三冊出版して、たぶん子供に世話を焼いたり、友だちとコーヒーを飲んだり図書館に行ったりし…

好きになる、創る、享楽

ある人間が「心の底から願っていること」「ほんとうに欲しいと思ってること」は、じつは「その人が他人に対して【与える】能力を持っていること」なのだ。 これは僕の文章ではない。二村ヒトシというAV監督の著書『全てはモテるためである』という本に書かれ…

親族ハラスメントと、保育における内部

親族という共同体の中ではある程度のハラスメントなら許されてしまう。何を、どこまでハラスメントとして扱うかは難しいけれど。 進路のことや将来のことについてとやかく言われる。鬱陶しいと思ってしまう。僕は何かになりたいわけではなく、ただ歌ったり書…